漢方薬を知ろう(1)|漢方の診断方法

 西洋医学では、「体のどこが悪いかを突き止め、悪い部分を治すための治療」を行います。これに対して、漢方では、【体全体の調和が崩れたために病気が引き起こされる】と考えます。漢方の治療は、「その人の体と心を総合的に診て、病気になった部分だけでなく、体全体を健康な状態に回復させる治療」を行います。

漢方の診断では、四診と呼ばれる4つの診断方法で体の状態を確認します

漢方の四診

漢方では、その人の「証」によって、治療に用いる薬が決められます

 「証」を判断する際は、相反する2つの要素「陰・陽」「表・裏」「実・虚」「熱・寒」などを基準とします。その中でも重要視される「証」が、「実・虚」、つまり「実証」と「虚証」です。
  • がっちりとした体格で、筋肉が発達。
  • 歩き方が力強く感じられる。
  • 顔色は光沢と潤いがあり、血色もよい。
  • 髪にも艶があり、目は生き生きとして力がある。
  • 痩せていて、前かがみで歩く傾向がある。
  • 顔色はどちらかというと青白い。
  • 髪につやがなく、目に力がなくうつろである。

実証でも不健康!?

 体が弱いイメージである虚証に対して、体の強い実証であれば、健康であるとのイメージをもたれやすいようです。しかし、実証であっても、元気そうに見えて病邪が潜んでいることもあります。

例えば、血圧が高く、脳卒中などを引き起こしやすい状態、過食による肥満など

実証と虚証の治療方法

 実証であるか、虚証であるかで、治療方法が大きく異なります。実証の方に対しては、余ったものを取り去る「瀉」の治療、虚証の方は、不足したものを補う「補」の治療が行われます。
 証にあわない漢方薬を用いた場合、目的としていた効果の記載があっても、効果が得られないばかりか、かえって弊害が現れることがあります。

自分の証を確認し、適切な漢方薬を選びましょう



健康ガイド 金盛 俊介                 
(薬理研究、登録販売者、健康管理士など)   
2012.10.29
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