感染症対策、今やるべき免疫力アップ術
|~粘膜の健康を守って、ウイルスの侵入を防止しよう!~

かぜなどのウイルスや細菌感染対策には、体の免疫力強化に加えて、それらの侵入口である喉や鼻などの粘膜の健康を守ることも大切です。

感染対策として、ヨーグルトや納豆などを食べて免疫力を上げるように気をつけている方も多いと思います。一方で粘膜の健康対策は、見落として実施していない方が多いのではないでしょうか。

今回の健康情報は、粘膜の健康を守って感染対策に役立てるためのポイントをご紹介いたします。

粘膜免疫をご存じですか?

免疫力は、ウイルスや細菌などの敵から体を守る力です。私たちの免疫力には、「粘膜免疫」と「全身免疫」があることをご存じでしょうか。

日々の生活の中で私たちの体は、自然界に存在する無数のウイルスや細菌などの危険な異物(敵)にさらされています。これらの異物が粘膜から体内に侵入しないように私たちの体を守っているのが粘膜免疫です。

粘膜免疫と全身免疫

粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、喉、腸管などの粘膜で、異物が粘膜を介して体内に入るのを防いだり、体外に出してしまうことで体を守っています。

しかし、数が多い場合、感染力が強い場合、粘膜の健康状態が悪い場合など、粘膜免疫が破られて異物が体内に侵入してきます。

体内に侵入したウイルスや細菌などの異物に対して働く免疫が全身免疫です。全身免疫では、免疫細胞がウイルスや細菌などを捕食したりして排除します。全身免疫が働く時の発熱には、免疫細胞を活性化させ、ウイルスを弱体化させる作用があります。

免疫力というと、全身免疫のみを思い浮かべる方が多いように思いますが、ウイルスなどの感染症を防ぐには、全身免疫だけでなく異物の侵入を防ぐ粘膜免疫を強化することも非常に重要です。

あなたの粘膜免疫の状態を確認!

粘膜の状態をチェックする質問

「はい」か「いいえ」で答えてください。

  •   目が乾燥している
  •   口内炎である
  •   鼻炎や花粉症である
  •   気管支炎やぜんそくである
  •   胃炎や胃潰瘍である
  •   便秘や下痢の症状がある
  •   膀胱炎になりやすい

はいが3つ以上の場合は、粘膜の健康状態が悪くなっていると考えられます。粘膜の健康状態が損なわれていると粘膜免疫も本来の力を発揮できません。

粘膜免疫を高めて健康を守る3つのポイント

ポイント1粘膜を守る栄養素を摂る

以下は、粘膜の健康に必要な栄養素です。中でも、オメガ3脂肪酸(DHA、EPAなど)やビタミンAは、不足しやすく意識して摂ることを心がけましょう。

粘膜の健康を守る栄養素と豊富に含まれる食品

オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸
粘膜の細胞の細胞膜の原料になる
青魚,エゴマ油,亜麻仁油
・青魚
・エゴマ油
・亜麻仁油
ビタミンA
ビタミンA
粘膜を正常な状態に保つ
レバー,人参
・レバー
・人参
ビタミンB2
ビタミンB2
粘膜の再生を促し、細胞の原料となるアミノ酸の吸収を助ける
レバー,卵
・レバー
・卵
ビタミンB6
ビタミンB6
粘膜の再生を促し、細胞の原料となるアミノ酸の吸収を助ける
レバー,魚
・レバー
・魚
亜鉛
亜鉛
新陳代謝に必要な酵素やタンパク質合成、DNA転写に関わる
牡蠣,アーモンド
・牡蠣
・アーモンド
タンパク質
タンパク質
細胞の原料になる
肉,魚
・肉
・魚

ポイント2鼻呼吸を行う

鼻には、加湿、異物の除去、加温の機能があります。口呼吸では、これらの機能が発揮さないこと、口の中を呼気が通ることから、以下の健康リスクが高まります。

口呼吸と鼻呼吸

口呼吸の健康リスク

・口の中が乾いて、唾液の分泌量が減り唾液での口中の殺菌が不十分になる。

・ウイルスなどの異物が口から侵入し、喉や気管の粘膜に付着しやすくなる。

・冬場など冷たい空気がそのまま肺に入って肺の免疫力が低下したり、肺にかかる負担が大きくなる。

・虫歯や歯周病のリスクが増加する。

口呼吸をチェックする質問

「はい」か「いいえ」で答えてください。

  •   無意識に口が開いていることがある
  •   鼻がつまりやすい
  •   唇が乾燥してかさぶたが出来やすい
  •   いびきをかくことが多い
  •   口の中が乾きやすい
  •   喉が弱くかぜをひきやすい
  •   唾液の量が少ない
  •   口臭が強いと言われる

上記の質問で、はいの数が多いほど口呼吸をしている可能性が高くなります。中でも注意して欲しいのがいびきをかく(睡眠時に口呼吸になっている)人です。

睡眠中は、深部体温を下げて体の機能を低下させて体を休めています。体温が下がると免疫力が低下しますが、睡眠中も体温が下がることで免疫力が低下します。そのうえ口呼吸で喉の粘膜が乾燥し、粘膜の防御力も低下。口からウイルスなどの異物が直接入ってきて粘膜に付着しやすくなります。粘膜免疫、全身免疫が共に低下した状態であり、感染のリスクが高まります。

朝起きて、喉が痛い、鼻水が出るなどかぜの症状に気付くことが多いのはこのような理由からです。ネット検索をすると、様々ないびき対策グッズが出てきます。いびきをかく人は感染対策として試してみるのも良いでしょう。

ポイント3歯みがきをしっかり行う

歯みがきが不十分で歯が汚れていると以下の健康リスクが高まります。

歯みがき

歯の汚れで増加する健康リスク

・歯の汚れである歯垢に住む歯周病菌が作るプロテアーゼ(酵素)は、ウイルスを細胞に感染しやすくし、ウイルス感染のリスクを高める。

・歯周病菌などの歯垢菌が作るノイラミニダーゼ(酵素)は、増殖したウイルスが細胞から出るのを助け、ウイルス感染の重症化のリスクを高める。

・かぜのウイルスや細菌などに感染すると、喉や気管支粘膜の防御力が低下しやすいことが知られています。歯が汚れて口の中の細菌数が増えると、肺に細菌が入りやすくなり、入る菌の数も多くなります。歯の汚れは肺炎のリスクを高めます。
かぜのウイルスや細菌由来の肺炎と口中の細菌による肺炎を併発することで、重症化のリスクが高まります。

歯をみがいて口の中の菌を減らすことは、ウイルスの感染・重症化予防につながると考えられています。感染対策強化のために、歯みがきをより丁寧に行いましょう。

全身免疫を高めて健康を守る7つのポイント

全身免疫を高める対策は、既に多くの人が実行していると思いますが、あらためてポイントを確認し、更なる対策の実施や強化にお役立てください。

ポイント1体を冷やさない

夏場でも過度の冷房などで体が冷えることがあります。一枚多く着る、ひざ掛けを使うなど、必要により冷え対策を行いましょう。

ポイント2腸内環境の改善

ヨーグルト、納豆、食物繊維の豊富な野菜など、腸内環境を改善する食品を多く摂りましょう。

ポイント3適度な睡眠

夜更かしを避け、適度な睡眠時間を確保しましょう。

ポイント4適度な運動

適度な運動は、免疫力を向上します。気軽に行えるジョギングや散歩がおすすめ。1日10,000歩を目標に歩きましょう。

ポイント5バランスの良い食事

和食がおすすめです。好き嫌いせず、様々な食品を摂りましょう。

ポイント6ストレスを溜めない

ストレスは、免疫力に悪影響を与えます。ストレスを溜めない、溜まったら趣味や運動などで早め早めに発散するように心がけましょう。

ポイント7疲れを溜めない

疲労が蓄積すると免疫力も低下します。疲れを感じたら無理をせず、早め早めに休みましょう。

全身免疫に加え、粘膜免疫も高めて免疫力を強化し、感染症対策に役立てていきましょう。

2020.09.30
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