葉酸不足の方は動脈硬化に注意!

サプリメントで葉酸を補給しましょう

葉酸は、ビタミンB12やビタミンB6と共に、肝臓におけるメチオニン代謝に関与していることが知られています。葉酸が不足するとメチオニン代謝に異常をきたし、動脈硬化が促進します。

ビタミンが豊富にある場合
ビタミンが豊富

ホモシステインのリサイクルのプロセスが正常に働き、システインが生成されます。生成されたシステインは、皮膚の形成等に使用されます。

生成されるシステイン
ビタミンが不足した場合
ビタミン不足

メチオニン代謝に異常をきたし、ホモシステインがメチオニンに変わる過程及びホモシステインがシステインに変わる過程が阻害されてホモシステインが過剰に作られます。このホモシステインは過剰なLDLコレステロールと結合し、活性酸素により酸化されやすくなります。酸化LDLはマクロファージに食われて血管壁に付着することで動脈硬化を促進します。

ホモシステイン値が高いと早死?!

心臓の動脈に動脈硬化がある患者587人の血中ホモシステイン値を測定し、5年間の追跡調査が行われています。
その結果は、最もホモシステイン値の高い20μmol/L以上の群では1年目までに2割以上の方が死亡し、5年目まででは実に3割以上、おおよそ3人に1人の方が死亡しています。
一方で、ホモシステイン値の低い9.0μmol/L未満群では、5年目までの死亡率は1割未満でした。ホモシステイン値が高いほど死亡率が高いことが分ります。

グラフ 心臓の動脈硬化患者とホモシステイン値の生存率

葉酸の摂取が一番大切

ホモシステイン値が高い男性に、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6を投与し、血中のホモシステイン値の変動を見る実験が行われています。

その結果は、グラフで分かるように葉酸・ビタミンB12・ビタミンB6の併用投与群のホモシステイン値が最も低下しました。単独で見た場合は、葉酸投与群が最も低下しています。ホモシステイン値を下げるには葉酸の摂取が最も重要なことが分ります。

グラフ 葉酸、B12、B6投与時のホモシステイン血中濃度の変化率

葉酸でホモシステイン値が低下

1996年に葉酸の効果を高く評価したFDA(米国食品医薬品局)は、アメリカ国内で生産される全ての栄養強化をうたうパン、パスタ類等への葉酸強化を義務化しました。これにより1996年からの3年間でアメリカ人の血中ホモシステイン値が2割近く下がりました。

グラフ アメリカ人のホモシステイン値の推移

葉酸はサプリメントで補給を

日本人の食事摂取基準(厚生労働省)による葉酸の推奨量は、240μg/日です。

これだけの量を食事で摂るには、たくさんの野菜を食べる必要があり困難です。

また、葉酸は水に溶けやすく、光と熱に弱い為に調理により失われやすい性質を持ちますので、サプリメントでの補給が簡単で確実でしょう。

葉酸の推奨摂取量

中高年の女性には特にお勧め

葉酸は、閉経後にホモシステイン値が著しく上がる中高年の女性や、親類に心筋梗塞や脳卒中等の動脈硬化が原因で起きる病気が多い方に特に大切です。

また、葉酸は新生児の奇形率を下げるので、妊娠の可能性がある女性にも積極的な摂取をお勧めします。

中高年の女性と妊婦さん
2013年12月03日
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