認知症について

65歳以上の4人に1人が認知症。あなたの家族は大丈夫?

「認知症」とは脳の働きが悪くなる病気です

さまざまな原因で脳の細胞が死ぬ、または働きが悪くなることによって、記憶・判断力の障害などが起こり、意識障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出ている状態(およそ6か月以上継続)をいいます。

65歳以上の4人に1人が認知症!?

我が国では高齢化の進展とともに、認知症患者の人数も増加しています。65歳以上の高齢者では平成24年度の時点で、約462万人と推定されています。なお、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害(MCI)の人も加えると約862万人と4人に1人の割合となります。また、年齢を重ねるほど発症する可能性が高まり、今後も認知症の人は増え続けると予想されています。

軽度認知障害(MCI=Mild Cognitive Impairment)

正常と認知症の中間ともいえる状態のことだが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない。軽度認知障害の人のうち年間で10~15%が認知症に移行するとされている。

記憶や判断力などの認知機能の低下

認知症と加齢によるもの忘れの違い

年をとればだれでも、思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが困難になったりしますが、「認知症」は、このような「加齢によるもの忘れ」とは違います。例えば、体験したこと自体を忘れてしまったり、もの忘れの自覚がなかったりする場合は、認知症の可能性があります。

「認知症によるもの忘れ」と「加齢によるもの忘れ」の違い(一例)

認知症 加齢
体験したこと 全てを忘れている
(例)朝ご飯を食べた事自体
一部忘れる
(例)朝ご飯のメニュー
もの忘れの自覚 ない ある
探し物に対して 誰かが盗ったなど、
他人のせいにすることがある
(自分で)
努力して見つけようとする
日常生活への支障 ある ない
症状の進行 進行する 極めて徐々にしか
進行しない

認知症の症状は忘れるだけじゃない

忘れることによる直接的な症状だけではなく、本人の性格や環境、人間関係等の様々な要因がからみ合って起きるうつ病や妄想といった心や行動面の症状が出ます。症状が進行すると独立した生活が困難になり、介護が不可欠になります。そして症状が重度になる頃には、身体面ではやせが進み、運動機能に支障をきたして寝たきりになり、いつも失禁するようになります。衰弱が徐々に進むとともに様々な病気にかかりやすくなり、これが最終的に死に結びつきます。最終的な死因としては、嚥下性肺炎や尿路感染に由来する敗血症などが多いとされています。

直接的な症状

直接的な症状
  1. 記憶力が低下する。
  2. 理解・判断力が低下する。
  3. 基本的な状況が把握できない。
  4. 物事をスムーズに進められない。
  5. 状況が分からず、適切な感情表現が出来ない。

心や行動面の症状

心や行動面の症状
  1. 不安や焦燥に悩まされる。
  2. うつ状態になる。
  3. 幻覚・妄想が出る。
  4. 粗暴な行為を行う。
  5. 徘徊する。

認知症は早期発見・早期治療が大切!

認知症は1度症状が大きく進行してしまうと、適切な治療を受けてもほとんどの場合、症状を大きく改善したり、完全に治すことはできません。しかし、症状が軽い段階であれば、認知症の進行を遅らせたり、場合によっては症状を改善することができます。早期発見と早期治療によって、症状を進めないことが大切です。

認知症の早期発見・早期治療につなげるために、自分自身や家族・同僚、友人など周りの人について「もしかして認知症では」と思われる症状に気づいたら、1人で悩まず専門家などに相談しましょう。主な相談先は次のとおりです。

主な相談先

2014年01月30日
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