じんましん、湿疹・かぶれのメカニズム

じんましん、湿疹・かぶれなど、皮膚のはれやかゆみには、塗り薬が多用されます。その発症には、体内のアレルギー反応が関与しており塗り薬に加え、錠剤などの抗アレルギー薬も有効です。
今回の健康情報では、じんましん、湿疹・かぶれの原因や発症のメカニズムを説明すると共に抗アレルギー薬の有用性をご紹介します。

じんましん、湿疹・かぶれとは?

じんましんは、突然に皮膚が赤くかゆくなってみみずばれを生じ(かゆみを伴わない場合もある)、数時間で症状が出たり引いたりを繰り返す皮膚の病気です。太ももや腰回りの皮膚の柔らかいところに出やすく、数時間~24時間以内に跡形もなく消えるという特徴を持ちます。1~2週間程度で治まる急性じんましんや1ヶ月以上続く慢性じんましんがあります。

湿疹・かぶれもじんましんと同じように皮膚が赤くかゆくなってはれを生じる皮膚の病気です。数時間で出たり引いたりを繰り返すことはなく一過性であること、発症すると症状が数日以上続くこと、水ぶくれを生じたり、傷口が出来てじゅくじゅくしたり、かさぶたを生じることがある点でじんましんと異なります。

じんましんと湿疹・かぶれの違い

じんましん、湿疹・かぶれの原因は?

じんましんの原因は食物、薬、感染症(風邪など)、肝臓病、膠原病、日光、暑さ・寒さ、運動、ストレスなど様々ですが、半数以上(6-7割程度)が原因不明とされています。
何らかの原因に対するアレルギー反応と言われていますが、血液検査でもその原因が分からない場合が多く、どのようなきっかけで出たかメモを取って原因を特定し、原因を避けることが大切です。

湿疹・かぶれの原因は接触性皮膚炎によるものと刺激によるものに大きく分けられます。かぶれの具体的な原因は、化粧品、ピアス・時計(金属)、マンゴー、うるし、毛虫、草花、ほこりなどがあります。刺激の具体例としては、衣服の擦れ、汗などの刺激、洗いすぎ・擦りすぎ、気候(暑さ・寒さ、乾燥)などがあります。
じんましん、湿疹・かぶれ共に皮膚の乾燥、寝不足、アレルギー、免疫低下など自身の状態にも大きく左右され、前記の原因を受けても発症しない場合もあります。

じんましんと湿疹・かぶれの違いを確認

じんましんと湿疹・かぶれとはどんな病気か、原因は何かをご紹介しましたが、相違点をまとめると以下となります。

じんましん

症状や皮膚の状態
  • 皮膚が赤くはれてかゆくなる
    (かゆみを伴わない場合もある)
経過
  • 数時間で症状が出たり治まったりを繰り返す
  • 1~2週間で治まる(急性じんましん)場合もあるが、1ヵ月以上続く(慢性じんましん)場合もある
原因
  • 主に食物、薬、感染症(風邪など)、肝臓病、膠原病、日光、暑さ・寒さ、運動、ストレスなど

湿疹・かぶれ

症状や皮膚の状態
  • 皮膚が赤くはれてかゆくなる
  • 水ぶくれができる
  • 傷口が出来てジュクジュクした状態になる
  • かさぶたが出来る
経過
  • 一過性であり、症状が出たり治まったりを繰り返すことはない
  • 発症すると症状が数日以上続く
原因
  • かぶれ
    化粧品、ピアス・時計(金属)、マンゴー、うるし、毛虫、草花、ほこりなど
  • 刺激
    衣服の擦れ、汗などの刺激、洗いすぎ・擦りすぎ、気候(暑さ・寒さ、乾燥)など

じんましん、湿疹・かぶれのメカニズム

じんましんと湿疹・かぶれは前記の点で異なりますが、実は共に体内のアレルギー反応により起こります。

皮膚のはれやかゆみのメカニズム

じんましん、湿疹・かぶれの治療方法

これらの病気には外用剤が多用され、比較的軽いかゆみや発赤の場合は抗ヒスタミン外用剤が、発赤やはれなどの炎症が酷い場合は、ステロイド外用剤の使用が適しています。

比較的軽いかゆみで、かゆい箇所が多い、手の届かないところがかゆい、かゆみが長引いて眠れない場合などには、内服の抗アレルギー剤の服用も適しています。

じんましん、湿疹・かぶれの効能を持つ内服の抗アレルギー薬は、全身に効く、長時間効く(1回の服用で12時間効く)など外用剤と異なる特徴を持つものもあり、症状によって使い分けたり、両者をうまく組み合わせて使うと良いでしょう。

内服薬は全身に長時間効く
2018年05月31日
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