毎日取りたいDHA

魚と水銀、妊婦は魚の取り過ぎに注意!?

今回のテーマは、体に良い油として話題のオメガ3脂肪酸の代表DHAの供給源「魚」について。DHAといえば、まず思い浮かべるのが魚です。体に良いと魚を積極的に食べている方も多いでしょう。しかし、一部の魚においてメチル水銀濃度が高いことが問題になっています。

どの魚に問題があるか、どのような方に注意が必要であるかその詳細をご紹介致します。

体にいいと言われる魚、妊婦は注意が必要ってホント?

魚は、ご存知の通り良質なタンパク質や健康に良いとされる油DHAやEPA、骨にはカルシウムなども含んでいます。私たちが健康的な生活をおくる上で非常に重要な食材です。しかし、魚(クジラやイルカを含む)には、海の中の食物連鎖によってメチル水銀が取り込まれています。

妊婦が、これらの魚を偏って食べたり極端にたくさん食べた場合に、メチル水銀が体内に取り込まれ、お腹の中の赤ちゃんの健康に影響を与える可能性があることがこれまでの研究で明らかになっています。このため厚生労働省は妊婦に向けてリスク毎に魚を分類し、その摂取量に関する注意喚起を行っています。

その内容は以下の表の通りです。注意すべき魚毎にその摂取量の上限(目安)が示されています。バンドウイルカやコビレゴンドウなど馴染みのないものだけでなく、キンメダイ、マグロ、バイガイなど普通にスーパーに並ぶ魚介類も含まれています。妊娠している方または妊娠している可能性のある方は、種類や量に注意して魚を食べましょう。

妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量の目安

1回約80gとして2ヶ月に1回
(1週間当たり10g程度)
バンドウイルカ
1回約80gとして2週間に1回
(1週間当たり40g程度)
コビレゴンドウ
1回約80gとして週に1回
(1週間当たり80g程度)
  • キンメダイ
  • メカジキ
  • クロマグロ(本マグロ)
  • メバチマグロ(バチマグロ)
  • エッチュウバイガイ
  • ツチクジラ
  • マッコウクジラ
1回約80gとして週に2回
(1週間当たり160g程度)
  • キダイ
  • マカジキ
  • ユメカサゴ
  • ミナミマグロ(インドマグロ)
  • ヨシキリザメ
  • イシイルカ

更に詳しい情報が愛知県衛生研究所より発表されています。興味をお持ちの方はリンクよりその内容をご確認下さい。

http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/gyo_hg2.html(外部リンク)

なぜ、魚に水銀が含まれるの?

地球には水銀が大量に存在し、その形を変えながら自然界を循環しています。その大部分は硫化水銀という安定な化合物ですが、僅かながらメチル水銀に変化したものが自然界に存在します。硫化水銀などの無機水銀は、私たちや魚の体内にほとんど吸収されませんが、メチル水銀は容易に吸収されます。問題視されているのは、食物連鎖により濃縮されたメチル水銀です。

僅かなメチル水銀を含むプランクトンを食べる小魚は、プランクトンより濃度の高いメチル水銀を含みます。この小魚を食べる大型の魚では、更にメチル水銀が高濃度に蓄積されます。このようにして食物連鎖の頂点に近い魚ほどメチル水銀を体内に蓄積させていきます。そしてその魚を食べる私達の体内にもメチル水銀が蓄積されます。

食物連鎖により、大きな魚ほどメチル水銀が蓄積される

なぜ、妊婦だけが注意対象なの?

妊婦の体内に入ったメチル水銀は胎盤を通じてお腹の胎児に移行し、さらに血液-脳関門をも通過して脳まで到達します。メチル水銀は私たちの神経系に作用し、高濃度に暴露すると神経障害や発達障害を引き起こすことが知られています。

発育中の胎児の脳は、特にメチル水銀に対する感受性が高く比較的低濃度の暴露であってもその影響を受ける恐れがあります。このため、妊婦に過剰なメチル水銀を摂取しないように注意喚起(魚の食べ方に対する注意喚起)がされているのです。

なお、胎児期を過ぎた子どもや大人は、胎児に比べ影響を受け難いため、極端に偏った食事内容でない限りそれほど心配する必要はないとされています。

DHAは、発達期の赤ちゃんに欠かせない成分と言われており、積極的に摂ることを心がけている妊婦さんもいらっしゃると思います。しかし、上記のようにメチル水銀を多く含む魚も存在します。妊娠している方または妊娠している可能性のある方は、食事の際に種類や量に注意して魚を食べましょう。

メチル水銀は胎盤を通じてお腹の胎児に移行します
2018年08月01日
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