まだまだある!歯みがきの健康における重要性

歯周病と腸内環境

腸内環境の改善、ヨーグルトに加え「歯みがき」が必須だった!?

腸内環境を良くして健康を維持するために、ヨーグルトや納豆などを食べている方、多数いらっしゃると思いますが、腸内環境を良くするには歯みがきも必須なことをご存じでしょうか?

最近の研究により、歯周病を患うと、腸内環境が悪化する可能性があることが分かってきました。歯周病は、主に歯みがきが不十分で歯に汚れが溜まり歯周病菌などの細菌が繁殖した結果、歯肉に歯周病菌が感染することで起こります。

人は1日に1〜1.5Lもの唾液を口内に出して飲み込んでいるのですが、歯周病患者は大量の歯周病菌も一緒に飲み込んでしまいます。歯周病菌が飲み込まれて腸に達すると、腸内環境を悪化させてさまざまな疾患の発症リスクが増大すると考えられています。

腸内環境を良くして健康を維持するには、しっかり歯をみがいて歯を清潔に保ち、歯周病を防ぐことも非常に重要です。

お急ぎの方はここまで。
お時間があって、腸内環境と健康の関係を詳しくお知りになりたい方は、引き続きお読みください。

歯周病と腸内環境

腸には、100兆個もの細菌が勝手に住んでいる?!

私たちの腸は、お母さんのおなかの中にいる時は全く菌がおらず、無菌状態です。しかし、生まれると共に様々な菌が入り込み、大人になる頃には約1000種類、100兆個にも及ぶ細菌が腸(主に大腸)に住みつきます。重さにしてなんと1~1.5キロ!これらの細菌は腸内細菌と呼ばれます。

勝手に住みついた腸内細菌を追い出したいと思う人もいるかもしれませんが、残念ながら、追い出すことは出来ません。仮に抗生物質などで一時的に菌を減らしても、しばらくすると元に戻ってしまいます。

1000種類もいると、中には宿主である私たちに役立つ菌、私たちに害をなす菌、それ以外の菌がいて、私たちは善玉菌、悪玉菌、日和見菌と呼んで区別しています。

善玉菌(有用菌)
善玉菌(有用菌)
[代表的な菌]
  • ビフィズス菌
  • 乳酸菌
  • 酪酸産生菌
[作用]
  • ビタミンの合成
  • 消化吸収の補助
  • 感染防御
  • 免疫刺激
[体への影響]
  • 健康維持
  • 老化防止
悪玉菌(有害菌)
悪玉菌(有害菌)
[代表的な菌]
  • ウェルシュ菌
  • ブドウ球菌
  • 大腸菌(有毒株)
[作用]
  • 腸内腐敗
  • 細菌毒素の産生
  • 発がん物質の産生
  • ガス発生
[体への影響]
  • 健康阻害
  • 病気の引き金
  • 老化促進
日和見菌
日和見菌
[代表的な菌]
  • バクテロイデス
  • 大腸菌(無毒株)
  • 連鎖球菌
[作用]
  • 特になし
[体への影響]
  • 健康な時はおとなしくしているが、体が弱ったりすると腸内で悪い働きをする

善玉菌が腸内で増えるとビタミンの合成や消化吸収の補助など上記の作用で健康が増進します。一方、悪玉菌が腸内で増えると腸内腐敗や細菌毒素の産生がおこり、健康を損ないます。これらの影響は、消化管を通してビタミンや毒素などが血液に入り込み、体を巡ることで全身に及びます。

腸内環境と健康の関係

善玉菌や悪玉菌などの腸内細菌の生育バランスを表わした言葉が腸内環境です。善玉菌が増加した状態を腸内環境が良い、悪玉菌が増加した状態を腸内環境が悪いとと表現します。

腸内環境は、以下のように全身の健康に大きな影響を与えています。

腸内環境と健康の関係

自分の腸の腸内環境を知るには?

腸でつくられる便を観察することで、腸内の状態をほぼ知ることができます。排便時に便の硬さや色、においをチェックしましょう。

滑らかなバナナ状で、においが強くなければ腸内環境は良好です。一方、固くコロコロしていたり、緩い状態の場合は腸内環境が悪化しています。下痢や便秘を繰り返す場合も、腸内環境が悪化していると考えられます。

なお、赤い便は血便が、白い便は胆のうや胆管の病気が疑われるので、必ず消化器科で検査を受けるようにしてください。

歯周病と腸内環境

善玉菌を増やして腸内環境を良くするには、どうすればいい?

腸内環境改善には、主に食生活の改善、運動、ストレスを溜めない生活が重要とされています。それぞれのポイントは以下になります。

ポイント1食生活改善

  • 善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む野菜やきのこ、豆類などを摂りましょう。善玉菌を元気にする働きを持つ納豆菌を含む納豆も摂ると良いでしょう。
  • 乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸産生菌などの善玉菌を含むヨーグルト、味噌、醤油、キムチ、チーズなどの発酵食品を摂りましょう。
  • 悪玉菌のエサになるたんぱく質や脂肪を多く含む肉類を食べ過ぎないように注意しましょう。

ポイント2運動

  • 適度な運動は血流を促して、酸素や栄養素を全身にめぐらせ、腸の健康も促進します。30分程度の散歩をする、ラジオ体操、ストレッチなど軽めの運動から取り組んでいきましょう。

ポイント3ストレスを溜めない生活

  • ストレスを受けると腸の働きが悪くなることで蠕動運動が弱くなり、便秘や下痢になりやすくなります。便秘や下痢も腸内環境の悪化につながりますのでストレスを溜めない生活を心がけましょう。

これらの対策に加え、毎日の歯みがきもしっかり行い、腸内環境を良好に保ち健康を守っていきましょう。

2022年02月01日
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