「効き過ぎ」「効かない」「副作用が出る」危険な薬の使用方法とは? ②

目薬・軟膏・坐剤編

今回のテーマは、薬の使用方法について。

間違った方法で薬を使用すると、効き過ぎたり、効かなくなったり、副作用が出る可能性があります。

今回の健康情報は、目薬・軟膏・坐剤の危険な使用方法と起こりえる悪影響についてご説明致します。

危険な薬の使用方法とその悪影響

不都合が起きる可能性のある危険な薬の使用方法

目薬・軟膏・坐剤編

01
1本の目薬を家族などと共用する。
02
2種類の目薬を連続して使用する。
03
開封して4ヶ月経った目薬を使用する。
04
目薬を使用してすぐにソフトコンタクトレンズを装着する。
05
良く効くように1回の使用で目薬をたっぷり5滴さす。
06
目薬をさした直後に寝る。
07
期限が切れた目薬を、台所で排水に流して捨てる。
08
市販薬のかゆみ止めステロイド剤を、もったいないので少量づつ使う。
09
軟膏やクリームなどを、チューブの口から直接患部に塗る。
10
坐剤を他の薬と一緒に薬箱に保管する。

危険な薬の使用方法とその悪影響

それぞれについて、悪影響を具体的に説明致します。

01
1本の目薬を家族などと共用する。
目薬は、使用時に誤ってまつ毛などに触れるとウイルスや細菌などの感染源となる可能性があります。家族間であっても目薬の共用は避けましょう。
02
2種類の目薬を連続して使用する。
2種類以上の点眼液を連続して使用する場合、最初に点眼した薬は、次に点眼した薬によって洗い流される可能性があります。
また、防腐剤などの添加物が配合変化を起こす可能性もあります。
これらを回避するために2種類以上の点眼液をさす時は、5分以上間隔をあけて使用しましょう。
03
開封して4ヶ月経った目薬を使用する。
開封した目薬の使用可能な期間は、保存状態にもよりますが、一般用医薬品で開封後3ヶ月、医療用医薬品で開封後1ヶ月が目安です。
目安の期間内でも、濁りなど異常があれば使用しないでください。
04
目薬を使用してすぐにソフトコンタクトレンズを装着する。
添付文書を確認し、ソフトコンタクトレンズの使用が制限されている場合は、目薬使用後、少なくとも5分くらいはコンタクトレンズの装着を控えましょう。
防腐剤がコンタクトレンズに付着して目に悪影響を与える恐れがあります。
粘性の高い点眼液や懸濁性の点眼液については、30分から1時間は時間を空けたほうがいいでしょう。
05
良く効くように1回の使用で目薬をたっぷり5滴さす。
目薬は通常1回1滴で十分効果があります。たくさん点眼したからより効果があるというわけではありません。
点眼した目薬は、目頭にある涙点と呼ばれる穴に入り、涙道を通って鼻の方に流れ、鼻腔から咽頭部、消化管へと流れていきます。
涙道を通る間に一部鼻粘膜から吸収されて全身循環に移行し、多くさし過ぎると薬によっては全身性の副作用が現れる可能性が高まります。
06
目薬をさした直後に寝る。
点眼して直ぐ目を閉じて寝ると、起きている時に点眼した場合と比較して目薬が目の表面に長時間滞留します。
角膜や結膜などに影響が出る可能性が考えられ、寝る(目を閉じる)直前の点眼は避けましょう。
07
期限が切れた目薬を、台所で排水に流して捨てる。
薬を捨てる際は、排水溝に流したり、不燃ごみとしてそのまま捨てると、環境汚染の原因になる恐れがあります。
目薬やドリンク剤などの液剤や軟膏などは、容器から出して廃油などと同様に新聞紙やティッシュなどに含ませてから、錠剤やカプセル剤、顆粒剤などは容器から取り出して、可燃ごみとして捨てましょう。
目薬の容器や箱、PTP、瓶などのパッケージは、各自治体の指定通りに捨てましょう。
08
市販薬のかゆみ止めステロイド剤を、もったいないので少量づつ使う。
患部を覆い隠せるように、ステロイドを「のせるように」塗布できる量が適量といわれています。
手のひら2枚分の面積に対し、大人の人差し指から第一関節まで薬を乗せた量(25~50gのチューブの場合、約0.5g)を擦り込まず、優しく伸ばして塗りましょう。
量が少ないと効きが悪くなり、短期で症状を抑えられない可能性があります。
ステロイドは、長期間使うと副作用(皮膚が赤くなる、皮膚が薄くなるなど)が出易く、5~6日間使用しても良くならない場合は、使用を中止して医師の診断を受けましょう。
また、使用して良くなる場合でも顔面で2週間、その他の部位で4週間を超えて使用しないようにしましょう。
09
軟膏やクリームなどを、チューブの口から直接患部に塗る。
薬が細菌などに汚染される可能性があり、チューブの口から直接患部に塗ってはいけません。
指先をきれいに洗ってから、指先にクリームや軟膏を適切な量を付けて、患部に塗るのが、正しい使用方法です。
10
坐剤を他の薬と一緒に薬箱に保管する。
坐薬は体温で溶けるように調製されています。30℃以上になると変形する恐れがあり、基本的に冷蔵庫で保管しましょう。
坐剤以外にも、冷蔵庫での保管が必要な薬があります。そのような薬は、添付文書にその旨の記載があり、添付文章も確認しましょう。一部、冷蔵庫保存の必要がない坐剤もありますので、坐剤だから冷蔵庫と決めつけず添付文書を必ず確認する習慣をつけましょう。
冷蔵庫保管で注意したいのが薬の凍結です。凍結により薬が劣化して効果が得られなくなる場合もあり、冷蔵庫内の保管場所にも注意しましょう。

皆さまご存じの情報とは思いますが、再確認頂き、薬を正しくお使い頂くようお願い致します。

2023年04月03日
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