脳卒中は人生を一変させる!あなたは大丈夫?②
後遺症を防ぐ!
今回のテーマは脳卒中について2回シリーズでご紹介致します。
第2回目は、脳卒中の後遺症を防ぐ対策(分岐点-2/分岐点-3)についてです。
分岐点-2生きるか死ぬか
前回の「分岐点-1」を実践し、生活習慣の見直し、定期的な検査を行なっていても、ご自身や家族、友人等が発症する可能性があります。
万が一の時に、どうすれば命を守ったり後遺症を防ぐことが出来るのでしょうか?
脳卒中の障害は、脳の神経細胞が死んでしまうことで起こります。
治療を行うまでの時間が経てば経つほど、脳の神経細胞が死んで脳へのダメージが進んでいきます。そして時間の経過と共に命や重い後遺症のリスクが高まります。
このため脳卒中の治療は、時間との戦いになります。脳卒中が疑われる場合は、直ぐに救急車を呼ぶなどの対応を取りましょう。
では、脳卒中が疑われるかどうかの判断はどうすれば良いのでしょうか?
脳卒中は3つの種類があり、
- くも膜下出血
- 脳の表面を走る動脈にできたコブ(動脈瘤)が破裂してくも膜の下に血液が溜まる
- 脳出血
- 脳内の動脈が破れる
- 脳梗塞
- 脳内の動脈が詰まる
次のような症状が起こります。
脳卒中の代表的な症状
ご自身に前記の症状があれば直ぐに救急車を呼ぶなどの対応を取りましょう。
友人や家族など一緒にいた人に脳卒中の発症が疑われる場合は、直ぐに脳卒中の判断基準であるACT-FAST(アクト・ファスト)を実行しましょう。
ACT-FAST(アクト・ファスト)とは?
米国脳卒中協会が提唱しているスローガンです。
「ACT」は行動、「FAST」は以下の頭文字及び英語の早い(FAST)という単語を表しています。
顔(Face)、腕(Arm)、言葉(Speech)の異常がひとつでも現れたら脳卒中を疑い、症状が出た時刻(Time)を確認して、急いで(FAST)、行動(ACT)を起こし救急車を呼びましょうという意味になります。

- 左右で歪みがある
- 口角が下がっている
- 片方だけ動かない

- 片方の腕だけ下がる
または上がらない 
- ろれつが回らない
- 言葉が出てこない
- 聞いた言葉を理解できない
本人が大丈夫と言っても、直ぐに行動することが大切です。
翌日まで様子を見て悪化した例が多くあり、疑わしければ必ず行動を起こしましょう。
分岐点-3後遺症なく元の生活に戻れるか
脳卒中後に命が助かっても、約64%の方に後遺症が残ります。
後遺症はリハビリによりある程度は回復が期待できるとされていますが、どうすれば良いのでしょうか?
-
1
医療機関に運ばれた当日は
ベッドサイドで理学療養士が手足を動かして筋肉や関節が硬くなるのを防ぎます。 -
2
容態が安定してきたら、
本人の合意を得てリハビリが開始されます。
この時、リハビリを早く始めることで高い効果が期待できると言われています。 -
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3
あきらめない
最初は、なかなか上手く体を動かすことが出来ず、焦りや辛い気持ちが生じると思いますが、あきらめずに取り組みましょう。 -
4
思ったほどの回復が得られなかった場合でも、
リハビリは裏切りません。
リハビリにより残った機能をうまく活用する方法を身に付けることが出来ます。
例えば利き手に障害が出ても反対の手をうまく使うこつを身に付けたり、反対の手の筋力アップなどで補って日常生活の支障を減らすことが可能になります。
以上、脳卒中の3つの分岐点についてお伝えしました。
脳卒中は、命が助かっても後遺症の残る怖い病気ですが、その80%は防ぐことが出来るとされています。
脳卒中予防10ヶ条を守ると共に、5年ごとの節目の年(50・55・60・65歳など)には健診の際に脳ドックや心電図、頸動脈エコーも受けるようにしましょう。





