お酒で記憶をなくすことは、武勇伝それとも・・・①

お酒の体への影響を再確認しよう

今回のテーマは、お酒の体への影響について。

お酒のアルコールが体にあたえる影響について確認すると共に、楽しく健康的にお酒を楽しむためには、何が必要か考察します。

お酒で「記憶がない」は死の一歩手前だった!生涯1度までとしよう!

特別な日などついつい飲み過ぎて、経験する「記憶がない」状態。後日、笑い話として話したり、回数が多いことを武勇伝として話す人もいます。

このお酒で記憶がない状態、実は死の一歩手前。ヘタをすると笑い事では済まない状態です。医学用語で「ブラックアウト」と言われ、お酒を飲み過ぎて血中のアルコール濃度が高まり、脳のほとんど全部が麻痺した状態です。

それ以上飲むと、脳の麻痺は生命活動を司る脳幹にまで及び、延髄にある呼吸中枢も麻痺して呼吸が止まり、死に至ります。

ブラックアウト

もし、ブラックアウト直前に強いお酒を一気飲みして胃に吸収前のアルコールが残っていたら・・・更に血中のアルコール濃度が上昇して死んでいたかもしれないのです。

お酒好きな方からは、「生きてるから大丈夫」なんて声が聞こえそうですが、考えが甘い!

将来の事を考えると大丈夫ではありません。死に至らなくてもブラックアウトは確実に脳にダメージを与え、繰り返すと脳が委縮して認知症の原因になることもあります。

記憶をなくす程に飲み過ぎた事をしっかり反省し、将来の健康(認知症予防)の為にもブラックアウトは、生涯一度きりとしましょう。

ブラックアウトは認知症の原因になることも

アルコールの血中濃度と体の状態

お酒でふらふらの人ほど「自分は酔っていない」と言いますが、血中アルコール濃度は確実に上昇。口と違って体は正直です。ビールはアルコール5%ぐらいですが、そんな酔っぱらいの血中アルコール濃度は、どの程度なのでしょうか?

酔いの状態とアルコール血中濃度
脳への影響
飲酒量の基準
陽気で楽しい爽快期
ビール 〜1本
日本酒 〜1合
ウィスキー 〜2杯
血中濃度0.02〜0.04%
陽気で楽しいほろ酔い期
ビール 1〜2本
日本酒 1〜2合
ウィスキー 〜3杯
血中濃度0.05〜0.10%
体がふらつく酩酊初期
ビール 3本
日本酒 3合
ウィスキー 6杯
血中濃度0.11〜0.15%
大脳皮質の活動が低下

理性をつかさどる大脳皮質の活動が低下。
抑えられた大脳辺縁系(本能や感情をつかさどる)の活動が活発になる。

体がふらつく酩酊極期
ビール 4〜6本
日本酒 4〜6合
ウィスキー 10杯
血中濃度0.16〜0.30%
小脳まで麻痺が広がる

小脳にまで麻痺が広がる。
運動失調が鈍り、千鳥足になる。

記憶がない泥酔期
ビール 7〜10本
日本酒 7合〜1升
ウィスキー ボトル1本
血中濃度0.31〜0.40%
記憶をつかさどる海馬が麻痺

記号をつかさどる海馬が麻痺。
今起きていることを記憶できない(ブラックアウト)状態になる。

死に至ることも昏睡期
ビール 10本〜
日本酒 1升〜
ウィスキー ボトル1本〜
血中濃度0.41%〜
麻痺が脳全体に広がる

麻痺が脳全体に広がる。
呼吸をつかさどる延髄に影響が及ぶと死に至ることもある。

血中のアルコール濃度は以外と少なく、わずか0.5%で脳全体が麻痺して危険な状態になります。

筆者は、あまりお酒に強くないのでアルコールの血中濃度のメーターはぐんぐん上がり、油断するとすぐに酩酊(0.3%)になり、次の日は二日酔いでボロボロです。しかし、お酒に強い人は、水を飲むようにお酒を飲み、次の日も平気な顔をしています。彼らの体の中はどうなっているのでしょうか?何が違うのでしょうか?

アルコールの代謝の仕組みと日本人の代謝能力

アルコールは、肝臓で次のように分解されて体外に排出されます。

アルコールの代謝の仕組み

アルコールが分解されて作られるアセトアルデヒドは、頭痛や悪心、真っ赤になるなど悪酔いや二日酔いの症状の原因となる物質です。お酒の強さは、アセトアルデヒドを分解する酵素の活性(アセトアルデヒドの分解能力)の強さによって決まります。

お酒の強さは、アセトアルデヒドを分解する酵素の活性の強さ

活性が強い人は、赤くならず二日酔いや悪酔いし難いお酒に強い体質です。一方、活性がほぼ無い人は、お酒をわずかに飲んだだけで真っ赤になって悪酔いや二日酔いになるお酒が全く飲めない体質です。活性の弱い人は、前記の中間でお酒は飲めますが、たくさんは飲めないお酒に弱い体質です。
健康のためには、自分の体質を理解してお酒を飲むことが大切です。

お酒の適量について。一般的な適量を飲んではダメな人とは?

日本でのお酒の1日の適量は、ビール中びん1本、ウイスキーシングル2杯、日本酒1合程度とされていますが、これはお酒に強い体質の男性の場合です。

お酒の強さに加え、体格、性別、年齢もお酒の適量に影響を与えます。以下の方は、適量の判断を減らしましょう。

適量の判断を減らす必要がある方

お酒に弱い体質の方
4%の飲めない方は、全く飲まないこと
小柄な方
血液の量が少なく、血中濃度が上がりやすい
女性
男性に比べアルコール分解速度が遅い
男性の1/2~2/3程度が適量とされています
高齢者
加齢でアルコールの分解能力が低下

上記の方は、一般的な適量内の量でも陽気で楽しくなってきたところでお酒はストップ! 飲みすぎない範囲で楽しく盛り上がりましょう。

2021年03月31日
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